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『住宅宿泊事業法(民泊新法)施行に伴う管理組合の対応』
【民泊対応その2】
(住宅宿泊事業法の施行開始までの経緯)
「住宅宿泊事業法」平成29年6月9日の参議院本会議にて可決・成立し6月16日に公布され同法関連の政令と、施行規則は10月27日に公布されています。 これにより、「住宅宿泊事業法」は平成30年6月15日に施行され、平成30年3月15日から「住宅宿泊事業」届出の受付が開始されることとなりました。
1 「住宅宿泊事業法」の概要
住宅宿泊事業法(以下、民泊新法)は、民泊に関わる一連の事業者の適正な運営を確保しつつ、国内外からの宿泊需要に的確に対応し、観光客の来訪や滞在を促進することで日本経済の発展に寄与することを目指して定められる法律となります。民泊新法の対象となるのは、下記3種類の事業者となります。
・「住宅宿泊事業者」:民泊ホスト
・「住宅宿泊管理業者」:民泊運営代行会社
・「住宅宿泊仲介業者」:Airbnbをはじめとする民泊仲介サイト
2 民泊新法に伴う標準管理規約の改正 (H29.8)
〔住宅宿泊事業に使用することを可能とする場合、禁止する場合に応じて、 次のように規定〕
(ア)住宅宿泊事業を可能とする場合
(専有部分の用途)第12条 区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。
2 区分所有者は、その専有部分を往宅宿泊事業法第3条第1項の届出を行って営む同法第2条第3項の往宅宿泊事業に使用することができる。
(イ)往宅宿泊事業を禁止する場合
(専有部分の用途)第12条 区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。
2 区分所有者は、その専有部分を住宅宿泊事業法第3条第1項の届出を行って営む同法第2条第3項の住宅宿泊事業に使用してはならない。
3 管理組合の対応
(1) 基本的な方向を決定することが喫緊の課題
☆『民泊容認か、民泊禁止か』
☆『容認の場合は、外部居住型、家主居住型、家主同居型のどの態様までか』
アンケート調査等調査結果を踏まえ議案作成し総会で決議する。
(2) マンション管理規約・細則の改正の例
☆例 規約第12条第2項の追加 (禁止の場合)
@標準管理規約のとおり。(住宅宿泊事業を禁止とする場合)
A「区分所有者は、その専有部分を、宿泊料を受けて人を宿泊させる事業を行う用途に供してはならない。」の一般的表現を追加。
B「民泊等の簡易ホテル的使用、多人数でのシェアハウス的使用及びウィークリーマンション並びにマンスリーマンション等対価を得て不特定多数に宿泊・滞在目的で使わせることを禁ずる。」の幅を広げた禁止事項表現の追加
☆例 規約第12条第2項の追加 (民泊許可の場合)
@標準管理規約のとおり。(住宅宿泊事業を可能とする場合)
A区分所有者は、次の場合に限りその専有部分を往宅宿泊事業法第3条第1項の届出を行って営む同法第2条第3項の往宅宿泊事業に使用することができる。
一 住宅宿泊事業者が同一マンション内に居住する家主居住型の場合
二 住宅宿泊事業者が同一マンション内の同一号室に同居する家主同居型の場合
また、管理組合への住宅宿泊事業の届出、民泊運営代行会社(住宅宿泊管理業者)に関する事項、住宅宿泊仲介業者(民泊仲介サイト)及び宿泊者の遵守事項の徹底等トラブル防止に必要な事項について使用細則を定める。
4 重要ポイント
(1) 管理規約において、住宅宿泊事業を許容するか否かを、明確化しておくこと!!
(2) 規約改正の手続きが住宅事業法施行までに間に合わない場合は、総会あるいは理事会において、住宅宿泊事業を許容するか否かの方針を決議しておくこと!!
(3) 平成30年3月15日からは、住宅宿泊事業の届出が開始されるので、それまでに管理組合として方針決定の決議をして行うため、速やかに検討に着手することが重要!!
(追伸)
適時の規約見直し、適切な内容改正がマンションの『トラブル防止の原点』です。
民泊等のトラブル防止対策を好機として『ぜひ、規約見直しに挑戦してみましょう。
各マンションの特性に応じた管理規約の見直し改正のお手伝いをさせていただきます。 ( 以上 )